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 糖尿病の治療

薬物療法 のみ薬と注射の2本立て
食事療法や運動療法で血糖コントロールがうまくいかない場合やインスリンの分泌が枯渇している場合などに対して行われるのが、薬物療法です。一般的には、経口血糖降下薬(のみ薬)インスリン注射の二つがあり、患者さんに応じて使い分けをしていきます。 経口血糖降下薬(のみ薬)とインスリン注射

経口血糖降下薬 メニューが多くなりました。

薬の作用点により、数種類の経口血糖降下薬が用いられるようになりました。このことは、患者さんの病態に応じて薬が使い分けできるようになり、より細やかな治療が可能となったことを意味します。作用点により以下のように分類することができます。
  1. 速効型インスリン分泌促進薬スターシス、ファスティック
  2. スルホニル尿素薬ラスチノン、グリミクロン、ダオニール、アマリールなど
  3. α―グルコシダーゼ阻害薬ベイスン、グルコバイ
  4. ビグアナイド薬メルビン、グリコラン、ジベトスB
  5. インスリン抵抗性改善薬アクトス


インスリン療法 より簡便に、より健常人に近づきたい。

膵臓からのインスリン分泌が枯渇した場合には、外からインスリンを補充することで血糖コントロールをよりよいものにしていきます。インスリン分泌は一般的に食事と関係なく寝ている時もみられる分泌(基礎分泌)と、食後にすみやかにみられる分泌(追加分泌)の二つに分類できます。理想を言えば、両者をうまく真似ることがベストです。

健康な人のインスリンの働き(模式図)

そのためには、早く効いてくれるタイプのインスリン(速効型または超速効型インスリン)を毎食事ごとに注射し、ゆっくりと効いてくれるタイプのインスリン(持続型または遅効型インスリン)を寝る前に注射することが必要です。インスリン分泌が完全に枯渇している1型糖尿病の場合には、そうしなければ良好な血糖コントロールは得ることができません。一方、2型糖尿病では速効型または超速効型インスリンと中間型インスリン(比較的ゆっくりと効くタイプ)を一定の比率で混ぜ合わせたインスリンを、一日2回注射する場合が多くみられます。
また、用いるインスリン製剤もペン型(使い捨てペンもある)が主流であり、非常に簡便に注射ができるようになり、注射時の痛みもかなり軽減できるようになりました。

携帯用インスリン注入器


自己血糖測定のススメ
刻々と変化する血糖値を良好な安定したものにするために、できるだけ自分で血糖値をモニターし(自己血糖測定)、食事の摂取量や薬の効果をきめ細かくチェックする必要があります。また、データを受診時に主治医にみせることにより、治療方法の変更などを検討してもらえます。インスリン療法を受けておられる場合には、血糖試験紙は保険適用されますが、それ以外の方の場合には自己負担となります。「やってみたいな」と思われる方は、当クリニックにご相談下さい。 小型血糖測定器

薬物療法のポイント

自己判断は事故のもと
糖尿病のお薬は自己判断で中止してしまいますと、速やかに血糖コントロールは不良になります。最悪の場合には、糖尿病性ケトアシドーシスといって、昏睡状態に陥ることもあります。したがって、主治医の許可なくして治療方法を変更・中止するのは絶対に止めてください。


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