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糖尿病は病気の性格上、食生活習慣に影響を最も受けやすいため、食事療法は糖尿病治療の「大黒柱」といえます。すなわち、食事療法が乱れれば、どんなにすばらしいお薬も効果がなくなってしまい、血糖コントロールは不良になります。また「食欲」を理性で抑えないといけない訳で、食事療法は最も難しい治療方法といえるでしょう。 |
食事療法の基本 |
- 一日に必要なカロリーをとり無駄なものをとらない(「カロリー制限」とも言われていますが・・)
- バランスの良い食事(主食、主菜、副菜を毎食とって下さい)
- 決められた時間に三食とること
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1日に必要なカロリーを出してみよう! |
まず・・・ 自分の「標準体重」を知ろう 「身長(m)×身長(m)×22(kg)」 「標準体重」とは病気にかかりにくく、死亡率の最も少ない体重をいいます。さあ、あなたも自分の標準体重を求めてみましょう。 |
一日の摂取カロリー |
「一日の摂取カロリー」は
「一日の摂取カロリー(kcal)=労働作業の強さ(kcal)×標準体重(kg)」
このように求められます。では、労働作業の強さはどのようにして求めるのでしょうか?一般に次のように考えると簡単です。
※一般に過体重、肥満の方は小さい方の数字を、それ以外の方は大きい方の数字を使って下さい。 |
- 軽労働 25〜30kcal 主婦、一般事務員など
- 中労働 30〜35kcal 理容師、幼稚園教員など
- 重労働 35〜40kcal 農作業者、土木工事作業員、大工など
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どうですか?ご自分の一日必要摂取カロリーが計算できましたか?
計算できた必要摂取カロリーの範囲の中で三大栄養素である糖質・たんぱく質・脂質をバランスよくとり、ビタミンやミネラルも欠かさずとりましょう。 |
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食品交換表と軽量はかりを活用しましょう! |
「○○○○カロリー」の食事をとって下さいと言われても、ピンときませんよね。そこで登場するのが「80kcal=1単位」という基本通貨ならびに栄養のバランスを考えてつくられた「食品交換表」(栄養素が含まれる割合が同じ食品ごとに集めて、表1〜6までに分類しています)なのです。もっと簡単に言えば、ご自身が一日に6色の食券○○枚(色ごとに枚数が違います)を用いて食事をとってもらう訳です。 |
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例えば、一日必要摂取カロリーが1600kcalの方は1600÷80=20単位となり、20枚の食券を用いて食品を買い物することになります。ただしこの場合、主食になるもの(表1)が11枚、果物(表2)が1枚、主菜になるもの(表3)が4枚、乳製品(表4)が1.4枚、油(表5)が1枚、野菜(表6)が1枚、調味料が0.6枚となります。それぞれの食券で買うことのできる食品の量が決まっていますので、皆さんがお好きなものをチョイスすれば良いのです。なかなか最初からすべてをマスターするのは至難の技ですので、まずは表1を覚えましょう。表1がマスターできれば食事療法を半分マスターしたことになります。次は果糖のみ含んでいる表2の果物です。季節によって血糖コントロールが乱れやすい方では、果物の摂り過ぎが原因と考えられるからです。
まずは食品交換表を持っておられない方は、『糖尿病治療のための食品交換表』(日本糖尿病学会編、文光堂刊)をお求め下さい(当クリニックでもご購入できます)。そして計量はかりのご用意を! |
食事療法は管理栄養士にお任せあれ |
食習慣の正しい評価、食事療法の基本と実際、食事療法がうまくいっているかの評価は、管理栄養士にしてもらうのが理想です。当クリニックは、定期的に管理栄養士の方に来ていただき、皆さんの食事療法をご支援させていただいております。 |
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