●血液中の甲状腺ホルモン濃度が高くなることを甲状腺中毒症といいます。
●これらの中には甲状腺がどんどんホルモン合成を行う状態(機能亢進)と、炎症などにより甲状腺に貯まっていたホルモンが血液中に漏れるため血液濃度が上昇する場合(破壊性:この際、甲状腺ホルモン合成能は低下)の二つが存在します。この二つの病態では治療方法が全く異なりますので、両者を鑑別することは極めて重要です。
●鑑別方法としては、放射性ヨード(甲状腺ホルモンの原料)を内服して甲状腺への取り込み率をチェックしたり(機能亢進では正常〜上昇、破壊性では低下)、甲状腺に対する自己抗体の測定(TSH受容体抗体など)や甲状腺エコーで甲状腺への血流状態のチェック(機能亢進では増加、破壊性では低下)等があります。TSH受容体抗体は血液採取するだけでわかる簡便な検査です。他の二つの検査は病院で行われています。 |