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A.甲状腺機能亢進症

甲状腺にあるTSH受容体に対する抗体(TSH受容体抗体)ができてしまい、甲状腺を始終刺激することで甲状腺ホルモンが必要以上に作られてしまうバセドウ病がその殆どです。その他、いくつかの病気で機能亢進を示すことがありますが、極めて稀です。


バセドウ病の自覚症状

  • 全身症状 :暑がり、疲れやすい、汗をかきやすい
  • 精神症状 :イライラ感、集中力低下
  • 循環器症状:息切れ、動悸
  • 消化器症状:軟便、下痢
  • 手足の症状:手足の振るえ、筋力低下
  • 月経の状態:月経過少、無月経
  • その他  :頚部の腫大、眼球の突出、体重減少、食欲亢進など

バセドウ病の治療

1.抗甲状腺薬
  • チアマゾールとプロピルチオウラシルの2種類があります。
  • 薬の半減期はチアマゾールの方が長く、甲状腺ホルモン抑制効果もチアマゾールの方が強力です。ただし、授乳を希望される場合には、プロピルチオウラシルの方が安全です。
  • 多くの場合、両剤とも6錠/日から開始する場合が多く、2−4週間隔で甲状腺ホルモンをチェックして、徐々に投与量を減らしていくことが一般です。重要なのは、必ず服用を忘れないことと、効きすぎて甲状腺機能低下に陥らないように適切に用量を減らしてもらうことです。
  • 副作用として発疹、皮膚のかゆみ、肝障害などがありますが、最も注意が必要なのは、無顆粒球症です。顆粒球とは白血球の中でバイ菌を処理してくれる細胞ですが、抗甲状腺薬の内服により500個/μl(マイクロリッター)未満に減少してしまう状態を無顆粒球症といいます。無顆粒球症に陥ると感染症にかかりやすくなり、38度以上の高熱がでたり、扁桃腺がはれてきたりします。通常は、内服開始2−8週間後に起こりやすいといわれています。発症率は約300人中1人の割合です。とにかく38度以上を越える発熱がみられたら、すぐ病院に!

2.放射性ヨード治療(アイソトープ治療)
  • 131I(ヨード)のカプセルを内服してもらい、放射性ヨードを甲状腺に取り込ませて内部から放射線照射する治療です。
  • 一般に小児、妊娠中、授乳中を除けば殆どの場合が適応となります。
  • 抗甲状腺剤で重大な副作用がみられたり、二つの抗甲状腺剤を用いても副作用が出現する場合などには放射性ヨード治療の適応となります。また薬の服用がきちんとできない方も適応となります。
  • この治療法を受ける場合には、核医学科専用の病棟にしばらく入院しなければなりません(排泄される尿や便に放射性物質が含まれるためです)。
  • 注意しないといけないのは、治療後に起こりうる甲状腺機能低下症です。定期的に甲状腺機能をチェックする必要があります。機能低下を来たす症例の約4割は治療後1年に起こります。

3.手術療法:甲状腺亜全摘出術
  • 甲状腺の一部を残して大部分を切除する方法です。
  • ただし残す量が問題であり、多めに残すと甲状腺機能亢進症が再発したり、逆に少なすぎると機能低下に陥ってしまいます。
  • 経験豊富な専門医に手術してもらうのがベストです。

バセドウ病眼症


眼球が存在する骨でできた空間を眼窩といいます。眼窩には眼球の他に脂肪組織や眼を動かす筋肉(外眼筋)が存在しています。バセドウ病の場合には、TSH受容体抗体などが外眼筋を刺激して筋肉を腫大させ、また脂肪組織も増加します。そのため眼窩部の容積は一定なので、眼球の後部に存在するものの容積が増加すれば、眼球は突出するしかないのです。

眼球突出が高度になって瞼が閉じなかったりすると角膜傷害が生じて視力低下につながります。また、外眼筋の腫大が高度になると眼球運動の障害が生じて、ものがだぶって見える(複視)ようになります。このような病態を悪性眼球突出症と呼び、ステロイド・パルス療法や放射線照射などの特殊治療が必要となります。

まず眼科の先生にみていただき、必要があれば眼窩部のMRI検査をうけてください。



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