●眼球が存在する骨でできた空間を眼窩といいます。眼窩には眼球の他に脂肪組織や眼を動かす筋肉(外眼筋)が存在しています。バセドウ病の場合には、TSH受容体抗体などが外眼筋を刺激して筋肉を腫大させ、また脂肪組織も増加します。そのため眼窩部の容積は一定なので、眼球の後部に存在するものの容積が増加すれば、眼球は突出するしかないのです。
●眼球突出が高度になって瞼が閉じなかったりすると角膜傷害が生じて視力低下につながります。また、外眼筋の腫大が高度になると眼球運動の障害が生じて、ものがだぶって見える(複視)ようになります。このような病態を悪性眼球突出症と呼び、ステロイド・パルス療法や放射線照射などの特殊治療が必要となります。
●まず眼科の先生にみていただき、必要があれば眼窩部のMRI検査をうけてください。 |