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バセドウ病をもっていますが、妊娠・出産は可能でしょうか? |
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母体の甲状腺機能が正常であることが、胎児の器官形成期(妊娠2ヶ月あたりまで)には極めて重要です。したがって、甲状腺機能が安定していることが必須条件になります。主治医とよく相談されて計画妊娠するようにしましょう。
妊娠が確認された場合、甲状腺ホルモンを正常上限あたりに維持するのがベストです。なぜならば抗甲状腺剤は胎盤を通過しますので、薬が多く行き過ぎると胎児の甲状腺機能が低下してしまうからです。
定期的に甲状腺ホルモンをチェックすることが肝要です。出産の場合も甲状腺機能が正常であれば問題はありません(妊娠後期には甲状腺ホルモンの正常値の範囲が若干低くなります)。
出産後は妊娠中抑制されていた免疫能がリバウンド(跳ね返り現象)を起こしますので、甲状腺機能が亢進する場合もみられます。出産後も慎重に甲状腺ホルモンをチェックしてください。 |
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抗甲状腺剤を内服していますが、授乳は可能でしょうか? |
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一般にプロピルチオウラシルの場合には、乳汁中への移行は極めて少なく授乳は問題ないとされます。したがってチアマゾールを内服されている方は、主治医とご相談されてプロピルチオウラシルへの変更が望ましいと思います。 |
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バセドウ病の場合、抗甲状腺剤は一生続けなければなりませんか? |
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薬の維持量が一日1錠程度であれば、中止できる場合があります。ただし、その場合も主治医とよく相談されて決定してください。自己中断は事故のもとです。中止可能な条件としては、甲状腺ホルモンならびにTSHが正常範囲であること、TSH受容体抗体が陰性であること、甲状腺腫大の程度が軽微であることの3つを揃えていることが必須です。
しかしながら、この3条件を揃えていても約半数の方は1年以内に再発してしまうことがあります。抗甲状腺剤には免疫抑制効果も期待できることから、少量でも内服を続けた方がよいと考えている専門家もいますし、再発すればその時点で治療を再開すればよいと考えている専門家もおられます。したがって最終的な判断はご自身で決定することになる訳ですが・・・ |
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バセドウ病は悪い病気ではないから、命を落とすことはないのでしょう? |
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非常にまれですが、甲状腺機能亢進状態を放置していて、感染症やストレスが強くかかった場合に、「甲状腺の嵐」といって命にかかわることがあります。この場合には、専門医のいる総合病院での入院加療が必要となります。高熱、動悸(脈拍>120/分程度)、持続する下痢、全身倦怠感、意識障害などがみられた場合には疑うことが必要です。また「甲状腺の嵐」とは異なりますが、抗甲状腺剤の副作用である「無顆粒球症」も手遅れになると命にかかわることがありますので、薬の開始後に高熱、のどの痛みなどが生じた場合、すぐに主治医にご連絡ください。 |
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甲状腺機能低下症で甲状腺ホルモン補充を中止した場合、弊害はありますか? |
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甲状腺ホルモンは自動車でいうとガソリンにあたりますから、補充を中止した場合には身体がガス欠に陥ります。甲状腺機能低下の症状が現れますし、重篤になると粘液水腫といって胸水や腹水がみられたり、呼吸困難や意識低下にいたり命を落とすこともありますので、絶対に自己中断はいけません。 |
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バセドウ病や橋本病は遺伝しますか? |
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両疾患ともに自己免疫疾患であり、一般には遺伝的背景を有するとされます。しかしながら、濃厚な自己免疫甲状腺疾患を有する家系もみられる一方で、家族内には全然みられない場合もよく経験します。遺伝のことにとらわれすぎて、そのことがストレスになると自己免疫甲状腺疾患を誘発することがありますので、なるべく気になさらない方が良いと思われます。 |
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甲状腺癌の予後は? |
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ごく一部の癌(未分化癌)や全身転移をきたしている場合を除いて、一般に甲状腺癌の予後は極めて良好です。10年生存率も90%以上と肺癌や膵癌などとは随分と異なります。また、他の病気が原因で病理解剖された方の甲状腺に癌が偶然みつかる場合も多く、このことも甲状腺癌の予後がよいことを裏付けていると思われます。 |
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甲状腺癌で今度手術を受けるのですが、術後に何か支障がでる可能性はありますか? |
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甲状腺全摘出術が施行される場合に、丁度甲状腺の裏側に存在する副甲状腺(左右上下に計4個存在します)が一緒に摘出されますと、副甲状腺機能低下症を併発します。副甲状腺ホルモンは血液中のカルシウム濃度を調節しますので、その低下は低カルシウム血症を引き起こします。
したがって、ビタミンD製剤とカルシウム製剤の補充が一生涯必要になります。また、声帯の運動を支配している反回神経が甲状腺の近傍を走行しており、それを傷つけてしまうと声がすれ(嗄声)が生じます。日がたつにつれて軽快してくる場合が多いようです。 |
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穿刺吸引細胞診は痛い検査ですか?入院は必要ですか?また注意しないといけないことはありますか? |
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当然、注射針をさすので痛みはさけられません。用いられる針の太さは、一般の血液検査で用いられる針と同じです。したがって、針が皮膚にささる際に生じる痛み程度です。検査は通常、外来で行われます。併発症として出血が最も生じやすいのですが、検査後しばらくは穿刺部位を圧迫しますので起こりうる頻度は非常に低いです。
ただし、もしも頚部がはれてきたり、息苦しさがでてくるようであれば、担当医に連絡をしてください。また、感染予防の意味合いからも検査当日の入浴は控えてください。 |
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